12日戦争後のイランの軍事回復力
ミサイル無傷と抵抗軸の再強化

本稿は『Israel-Iran War RED ALERT: Tehran’s Missiles LOCKED ON Tel Aviv, IDF SOUNDS ALARM』(https://youtu.be/Zr2IA8mKEuM)の内容と各種補足報告から再構成した資料です。

1. イラン防衛インフラの「無傷」報告

1.1 ナクティ准将の発言

イスラエルとトランプ政権は今、イランの防衛力を最大限に警戒すべきです。イラン革命防衛隊(IRGC)の副コーディネーターであるムハンマド・ラザ・ナクティ准将は、イラン国営メディアのインタビューで「イランのミサイルおよび防衛インフラは完全に無傷のままだ」と発言しました。彼は具体的に「ハエの羽ほどの傷もない」と述べ、米イスラエル連合による激しい空爆下でも、イラン国内の防衛ネットワークは機能を維持したと主張しています。

1.2 ミサイルシティと地下施設の保全

ナクティ准将は「ミサイルシティ」と呼ばれる地下ミサイル発射拠点についても、いかなる損傷も受けていないと明言。発射装置への攻撃後も作戦は即座に再開され、「運用上の問題は一切発生しなかった」と語りました。

1.3 ガザ戦との比較と防衛の堅牢性

彼は、ガザ地区への長期砲撃を続けてもハマスのトンネル網を破壊できなかったイスラエルの失敗に言及し、「イランの防衛トンネルは、12日間の戦闘を経た後でもいっそう安全で強固となった」と比較的な形で強調しました。

1.4 抑止力の維持と発射機の再生能力

仮にミサイル系統が損傷を受けていないのであれば、それがイランの抑止の中核を成すことになります。彼は敵側の「ミサイル発射機の半数を破壊した」という主張を否定し、「実際には3%未満しか損傷していない」と述べました。これらの発射機はイラン国産技術により設計されており、「鍛冶屋でも再生可能なほど単純構造」であると語ります。戦後、イラン国内では発射機の保有数がむしろ増加し、数万基単位で量産可能な体制へと移行したと強調しました。

2. 12日戦争の発端と規模

2.1 開戦の経緯

この紛争は2025年6月13日に勃発しました。ナクティ准将の表現によると「イスラエルによる未挑発の侵略」が発端でした。戦闘は単なる局地紛争ではなく、全面的な大規模衝突に発展し、犠牲者は1000人を超えました。犠牲者には複数の軍指揮官、核科学者、民間人が含まれています。

2.2 米国の関与と核施設攻撃

戦争終盤、米国が参戦し、イランの核関連施設3か所を爆撃しました。イラン政府はこれを「明白な国際法違反」と非難しています。6月24日にはイランが報復作戦を実行し、イスラエルは迎撃能力を使い果たし攻撃継続を断念せざるを得ませんでした。

2.3 イランの耐久力と現場報告

イスラエルの複数都市―特にテルアビブ―がイランの弾道ミサイル攻撃で壊滅的打撃を受けました。ナクティ准将は「我々に問題はなかった。部隊は堅固で、作戦継続能力に支障はなかった」と強調。前線司令官たちも運用上のトラブルを報告しておらず、イラン軍の統制と士気の高さを示しています。

2.4 試練と限界

この短期間ながら激烈な戦闘は、イランの軍事力を試すと同時に、米国とイスラエルの限界を露呈させました。ナクティ准将は「イランは自らの戦略によって戦場を支配している」と述べています。

3. イラン対NATO構図と国際分析

3.1 敵対国の範囲

ナクティ准将は「我々はNATO諸国と全面的に戦っている」と宣言しました。敵勢にはアメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、そしてイスラエルが含まれるとしています。米国の基地や諜報網、さらにはテヘランの外国大使館までもがイスラエルにリアルタイム情報を共有していると指摘しました。

3.2 偵察とスパイ活動

彼は「多数の外国ドローンと衛星がペルシャ湾とイラン領空を常時監視している」と説明しました。この多国籍監視網は、ウクライナ戦争や他の米国主導作戦と同様、「連合任務」として機能していると分析しています。

3.3 イラン戦略の成功

米国が主導する覇権的連携にもかかわらず、この攻撃戦略は「イランに対して失敗した」とナクティ准将は結論づけました。イランの防衛体制は維持され、連合側の成果は限定的だったと主張しています。

4. ドローン戦争と防空戦の勝利

4.1 撃墜数と国産防衛技術

12日戦争期間中、IRGCはイスラエル製または米国提供のドローン43機を撃墜。合計140機以上の敵ドローンを排除しました。彼はこの成果を「現地化された防衛能力」によるものとし、イランが完全に自国技術で防空システムを築いている証だと述べています。

4.2 ロシア型防空を凌駕する技術

ナクティ准将によれば、イラン製システムはロシアのS-300を超え、旧式化したS-400をも上回る性能を示しました。戦闘中に即時改修・アップデート可能な柔軟設計が大きな優位点です。

4.3 自立技術による総合勝利

ナクティ准将は「イランは最先端兵器を持つ敵に対抗できることを証明した」と強調し、軍事的自立の成功を指摘しました。この戦争はイランにとって「自国製技術勝利の実証実験」でもあったと見なされています。

5. イスラエルメディアの危機感と再抑止体制

5.1 メディア報道とパニック

イスラエル・ハイヨム紙は、イランが再び「火の輪(Ring of Fire)」構想を復元しつつあると報道しました。イスラエル側の「ライジング・ライオン作戦」後に喪失した抑止力を、イランが再構築しているとの分析です。

5.2 射程拡大と長距離能力

イランは制裁下でも大陸間弾道ミサイル(ICBM)計画を急速に進展させています。最新のホラムシャフル5は射程5,500kmを超え、報道によれば最大12,000kmに達する可能性があります。これは湾岸諸国・イスラエルに加え、射程内の欧州地域全体が潜在的脅威圏内に入ることを意味します。

5.3 射程制限撤廃と核議論

最高指導者アリ・ハメネイは、従来の2,200km射程制限を撤廃し、無制限のミサイル開発を承認しました。政府・議会内部では核抑止力を求める声が高まり、70人以上の議員と閣僚が「核兵器を抑止手段として承認すべき」とする書簡を提出したと報じられています。

6. 抵抗の枢軸(Axis of Resistance)の再構築

6.1 枢軸の再生プロセス

イスラエル側の情報によると、イランは「抵抗の枢軸」を再編成しています。ガザ、ヨルダン、シリア、レバノンで活動する多数の組織が再び連携し、アブドゥラ・サベリがクドス部隊パレスチナ支部長に就任しました。

6.2 支援と補給路の再整備

ムハンマド・バゲル・ガリバフ議長は、「イスラエル周囲の火の輪を維持する」と発言。ヘズボラへの供給ルートを開いておくことが最優先事項だと述べています。

6.3 停戦不信と過去の教訓

イスラエルの和平提案に対する不信感も根強く、ガザやレバノンの停戦中にも民間人殺害が続いた事例が挙げられています。イラン側はそれを「平和の裏で進行する侵略」と見なしています。

7. 米国との交渉拒否と地域戦略

7.1 交渉方針の明確化

イラン指導部は米国との現在の交渉を「ドナルド・トランプへの降伏」と見なし、拒否姿勢を堅持しています。代わりにシリアを含む地域での防衛同盟強化を推し進めています。

7.2 メディア・ナラティブとの対立

西側メディアや米政権が「イラン崩壊論」を流布する中で、イランは自己防衛を超えて「報復・抑止の実力」を内外に示す形となりました。

8. トゥルー・プロミス3作戦と自立性の証明

8.1 作戦の背景と国民感情

12日戦争以前の段階で、イラン国内外には「外交的に弱腰」との批判も存在しました。しかし「トゥルー・プロミス3作戦」の実施により、イランが自国の防衛・再生能力を証明する結果となりました。

8.2 北朝鮮事例との比較

北朝鮮(DPRK)が制裁下で独自に核およびICBMを構築した前例を引き、ナクティ准将は「自立型抑止国家」の重要性を強調しました。イランも同様の道を歩んでいると述べています。

8.3 戦略的転換点としての12日戦争

短期間ながら、イスラエルが米国支援下で行ったこの戦争は、イスラエル側の脆弱性を暴き、イラン技術力の即応性を立証する結果をもたらしました。

9. 西アジア情勢と抵抗軸の「歴史的瞬間」

9.1 環境的困難と耐久力

イランは米軍基地網に包囲されながらも、直接攻撃を受け、パレスチナやレバノンの抵抗勢力を支援してきました。この構図そのものが、西アジア史における転換点を象徴しています。

9.2 地域崩壊と復興の対比

シリア崩壊、レバノンのインフラ攻撃、ガザにおける大規模破壊など深刻な被害があった一方で、イランは防衛・補給・技術開発を維持しています。

9.3 抵抗の継続意志

ナクティ准将は「イランのミサイルは今も標的をロックしており、抵抗力は戦時より強い」と述べました。

10. ロシア・中国との関係と支援構造

10.1 同盟関係への誤解

ロシアや中国がイラン支援に消極的だとの批判について、ナクティ准将は「それは事実ではなく、意図的な分断工作」だと指摘しています。

10.2 経済支援と自立継続

中国はイラン産原油の最大輸入国であり、そのエネルギー取引がイラン軍事産業を支える基盤となっています。これによりイランは兵器製造・資源確保・貿易継続を行えています。

10.3 ロシア・中国の非干渉原則

両国は「他国政治への干渉を行わない」との外交方針を掲げており、イランもこの基本姿勢を尊重しています。そのうえで技術協力・防空教育など、実務面での連携を進めています。

10.4 長期戦略と秩序構築

ロシア・中国・イランは「長期的な多極構想」を共有しており、米イスラエルの一極構造を崩す戦略で協調しています。インフラ、輸送網、資源経済圏を軸として結合を深めています。

11. 今後の展望と抑止戦略

11.1 イランの軍事的再建

イランは12日戦争後、短期間で防衛力を修復・増強し、ホラムシャフルシリーズおよび極超音速ミサイル開発を加速させています。イスラエルと米国への抑止警告も明確に発せられています。

11.2 戦争再発の可能性と警戒

ナクティ准将は「我々の戦力は以前より強くなっている」と述べ、イスラエルと米国に対し「次の攻撃は自らの責任であり、その結末は予見可能だ」と警告しました。

11.3 結語

イランの防衛網は無傷であり、12日戦争の経験からさらに発展しています。この紛争は、イランが地域覇権における主導的地位を確立した歴史的分岐点として記憶されるでしょう。