本稿は『日本だけやらない燃料問題軽油の産出』(https://youtu.be/Jb_0Zz9MEm8)の内容と各種補足報告から再構成した資料です。
今の中東情勢で改めてはっきりしましたが、日本の石油業界は行政も含めて古い制度に縛られ、何もやってきませんでした。こう話すとChatGPTなどから「陰謀論みたいだからやめろ」と言われるのですが、これは陰謀論ではありません。石油業界のやっていることが陰謀論並みにひどいのです。順序が逆なのです。たとえばジャニーズの問題がありましたよね。あれこそまさに同じで、言葉にできないおぞましいことが長年、しかも膨大な数で行われてきました。そのときも大手マスコミは何も言いませんでした。被害者が自費出版をしても、大手出版社には相手にされなかった。それが日本という国です。だから、ひどいことをしていて、政官が癒着していれば、そのまままかり通ってしまうのです。
私が自信を持ってそう言えるのは、明らかに石油業界が古い体質に囚われて何もできなかった、その確かな証拠を知っているからです。きちんとお見せできる証拠です。たとえば、石原慎太郎氏がかつて問題にした東京都のディーゼル煤問題。あれは結局、燃料が悪かったのです。脱硫されていない硫黄分の多い燃料を使っていたから、日本では環境負荷の少ないクリーンな自動車を作れなかったのです。
その事実が明るみに出て、石原慎太郎氏がペットボトルに煤を入れて振り回すパフォーマンスを行い、石油業界は大目玉を食らわされました。しかしその後すぐに隠蔽に走ったのです。マスコミもそれに協力しました。
硫黄分のないサルファーフリー燃料を世界で最初に導入したのはスウェーデンで、1991年頃から始めています。ところが日本は2005年頃になってようやく「世界に先駆けて始めた」と言い出したのです。実際には10年以上も遅れているのに、平然とそう宣伝するのです。アメリカでも2000年頃にはすでに導入されており、9.11テロのグラウンド・ゼロでの復旧工事にもサルファーフリー燃料が使われました。そうした事実があるにもかかわらず、日本の石油業界は10年遅れで「世界に先駆けました」と宣伝するのです。
ほとんどの人はガソリンや軽油の情報を石油会社の情報から得ようとします。当然、石油会社の出す情報は誤解を招くようなものばかりで、普通に調べても真実はわかりません。しかし私の場合は答えを先に知っていました。2001年か2002年当時、イギリス人と仕事をしていたとき、「なぜ日本のディーゼルエンジンは排気ガスが臭いのか」と聞かれたのです。そのときすでに、脱硫が行われていないことを知っていました。
実はBMWやベンツが当時すでにクリーンディーゼルを出していましたが、日本では軽油が脱硫されていないために輸入できなかったのです。石原慎太郎氏が煤問題を取り上げたのも1999年ですから、もう答えはわかっていました。ヨーロッパは進んでいるのに日本は遅れている、その構図を知っていました。だからこそ、今のAIに対しても「疑いの目を持って」、ある意味、先に答えを知った上で質問しないと、本当のことは答えません。AIもインターネット上の情報を集めているだけで、私たちと大差ないのです。石油のことを石油会社の情報をもとに答えるので、正解にはなかなか届かないのです。「こいつが悪者だ」という証拠を掴んだ上で調べるからこそ、真実にたどり着けるのです。これは陰謀論のように聞こえるかもしれませんが、陰謀論ではありません。石油業界は、まるでジャニーズ問題のようにひどいことをしているのです。
ディーゼル煤だけでなく、VOC(揮発性有機化合物)の問題も深刻です。VOCとは主に給油時に発生する蒸発ガソリンのことです。ヨーロッパもアメリカも蒸発ガソリン対策はほぼ完全に終わっています。一方、日本ではまだ始まったばかりで、ようやくガソリンスタンドの給油口から出る蒸発ガスを吸収する装置の導入が始まった段階です。
アメリカでは2000年頃には、すべての新車に車両側で蒸発ガスを出さない仕組みが組み込まれました。その世代の車が普及して古い車はほとんど残っておらず、スタンド側での蒸発ガス回収装置はすでに不要になり、廃止の方向に向かっています。日本は完全に周回遅れなのに、批判する人もおらず、情報も流れません。テレビは石油会社のCMを流していますから、「心を満タンに」などと言いながら、ジャニーズの実態を暴くようなことはできないのです。ジャニーズの件でそれははっきりしました。私たちは疑いの目を持って見ることで事実を知ったのです。だから、これは陰謀論ではないのです。
石油業界も含めて、そこには市場競争というものがありません。古い制度を守って大事にし、一度方針が決まれば、時代が変わってもそのまま突き進んでしまうのです。日本の米問題がその典型です。減反政策は米が余っていた時代からずっと続けられ、米が不足するようになってもまだ続いています。後ほど詳しく話しますが、私のところにも毎年、転作補助金の書類が届きます。小さな田んぼと、少しだけ転作した畑があるだけですが、それでも1万円程度は受け取れるのです。今年は手続きをしませんでしたが、出せばもらえます。そうした古い制度が、世の中が変わっても逆効果を生んでいるのです。
ここから本題の燃料の話に移ります。もし日本でガソリンや軽油を5%自給できたら、とても心強いと思いませんか。しかし日本ではそれが行われていません。アメリカやEU諸国では、軽油にバイオ燃料を約5%混ぜて使っています。ブラジルではガソリンにも植物由来の燃料を30%近く混合していることが有名ですが、欧米でも5%は既に行われているのです。これは本来、炭酸ガス排出削減のためです。植物は育つ過程で空気中のCO₂を固定するので、燃やしても増えないという考え方です。しかし実質的には、これは燃料を自給しているのと同じことです。石油不足のような事態でも、5%分は自国で生産しているに等しいのです。
日本はそれをやっていませんが、実は大きくチャンスがあります。欧米では、バイオ燃料を作るために広大な畑が必要で、食料生産と競合してしまいます。バイオ燃料を増やせば食料が不足し、トラクターなどの燃料も必要です。世界中の食料需給はギリギリのバランスで成り立っているのです。
日本には、この点で大きなアドバンテージがあります。ユーグレナ社(和名:ミドリムシ)は、水槽でミドリムシを培養してバイオ燃料を作ろうとしています。畑を使わないため、食料と競合しない方法です。しかし、この優れた企業の技術がほとんど生かされていません。ユーグレナ社はジェット燃料の開発なども進めていますが、政府主導で自動車燃料に導入しなければ普及しません。
日本では廃食油を軽油代替に使う程度で、バイオ燃料混合はほぼゼロです。反対派は「供給体制ができていない」「コストが1リットル1000円もかかる」と言いますが、順序が逆です。制度を作れば供給体制はできます。そもそも100%ユーグレナで走れと言っているのではなく、まずは欧米並みに5%混合すればいいのです。5%なら1リットルあたり50円の上乗せで済みます。今はガソリンに補助金を出して価格を抑えているのですから、十分可能な価格です。欧州では軽油が1リットル300円以上しますが、それでもやっているのです。
バイオ燃料のもう一つの日本独自の方法は、米を活用することです。減反政策はいまだに続いており、政府は「やっていない」と言いますが、実際には転作補助金が出続けています。私のところにも毎年書類が届き、昔田んぼだった場所に花の苗を植えれば補助金がもらえます。小さな畑でも1万円程度は受け取れ、今でも申請すれば出ます。こんな無駄なお金を使う一方で、米不足が叫ばれているのです。
農林水産省は「米の取引に市場原理を取り入れている」と言いますが、実態は違います。本来の市場原理とは、買い手と売り手が値段を決めることです。ところが農協は、最初に暫定的な金額で米を仕入れ、後から市場価格を見て金額を決める「後出しじゃんけん」のようなことをしています。他の商売ではありえません。これでは需給バランスが崩れ、米が余っても生産は続き、足りなくなっても生産が増えません。実際、最近になって米不足が顕在化しましたが、長年あまりにも安い価格で据え置かれたため、生産者がいなくなってしまったのです。
この減反政策をバイオ燃料用に転換すれば、さまざまな問題が一気に解決します。田んぼのまま、米をバイオ燃料用に生産すればよいのです。食料が不足すれば、その米を食用に回すこともできます。ところが制度上、「食用」と「飼料用」は厳格に線引きされており、発想そのものが制度優先です。米は米なのに、制度を優先して国民や農家のことは二の次にされる。実際、転作補助金で花畑を維持している例は今も続いています。そうした資金をバイオ燃料用の米生産に振り向ければいいのです。
ChatGPTは「トウモロコシなどに比べると米の燃料効率は40%~60%程度」と言いますが、半分程度取れれば十分ではありませんか。どうしても水田に向かない土地であればトウモロコシを作らせ、それを買い上げればいい。やり方はいくらでもあるのです。食料問題、米余り、炭酸ガス削減、すべてを一気に解決できるのに、縦割り行政の弊害でそれができないのです。
こうしたことを発信すると、「お前が政治家になって変えろ」「陳情すればいい」というコメントが来ます。しかし、それだけでは足りません。今はSNSの時代です。国民が知ることで世の中は変わります。実際、「保育園落ちた日本死ね」というSNSの一言が政治を動かしたではありませんか。
かつて石原慎太郎氏がペットボトルに煤を入れて振り回し、健康被害を目に見える形で示したように、強力なパフォーマンスが必要です。しかし私たち国民が、日常の実感として発する言葉こそが、強力なパフォーマンスになり得ます。私の動画にコメントする人の中にも、政治家や官僚と同じで「古い制度のままがいい」と考える人がいます。少しは頭を使い、世の中を見てほしい。国民が知ること、一言発することが、SNSでも何でもいい。簡単なことです。まずは知ることです。ジャニーズ問題のときマスコミが結託して隠したように、前提を疑って調べれば真実は見えてきます。そして、普通に思ったことを発信する。それだけで世の中は変わるのです。
以上です。