本稿は『トランプ和平案がヤバい…ネオコン排除と穏健派の逆襲。ロシア凍結資産の行方と、金。プーチンの本音。』(https://www.youtube.com/watch?v=uOoQp7Ku6lM)の内容と各種補足報告から再構成した資料です。
『銀silverゴールドch』(https://www.youtube.com/@ag47)
みなさま、こんばんは。今回はプーチン大統領とトランプ大統領の間で取り沙汰されている28項目の和平案についてお話しします。
この和平案は、表向きはウクライナに平和をもたらすための設計図として語られています。しかし条文をよく読むと、全く別の顔が見えてきます。それは、アメリカによる世界再編のためのビジネス契約書とも言える実態です。
この和平案は、根回しが進む中でリークされたものです。誰がどのような意図で情報を漏らしたのか――その背後には、トランプ陣営内部のネオコン派と穏健派による熾烈な権力闘争の影が見え隠れしています。
今回はその和平案の内容、ヨーロッパの指導者たちが激怒している理由、そしてアメリカが手に入れようとしている巨額の利益について見ていきます。
この28項目の和平案が表沙汰になった発端は、トランプ陣営のキース・ケロッグ・ウクライナ担当特別代表がニュースサイト「アクシオス」に情報をリークしたことだとされています。きっかけは、トランプ大統領の盟友であるフレッド・フライシュマン氏がXに「Kが漏らした」と誤って投稿し、すぐに削除した一件でした。その後、オールドメディアは「Kとはロシア代表のことだ」と記事を連発し情報が錯綜しましたが、最も有力な見方は「会談が噂されるネオコン派のケロッグ特別代表によるリーク」です。
というのも、この計画を主導したのはトランプ大統領の盟友スティーブ・ウィトコフ特別代表と、ロシアのドミトリー・ドミトリエフ大統領特別代表でした。そして今年10月、アメリカ・フロリダ州で極秘に行われた会談には、トランプ氏の娘クシュナー氏も同席していたとされています。つまり、ロシア側への根回しの最中に情報がリークされたのです。
ケロッグ特別代表はこれまでトランプ氏に「ウクライナの戦況は悪くない」と吹き込んできた筋金入りのネオコン派です。その影響でトランプ氏自身も数週間前まで「ウクライナが勝っている」とTruth Socialに投稿していました。しかし現実はずっと違います。ウクライナは領土を失い続け、ドンバスなど各地での戦況悪化はロシアが急速に勝利しつつある真実を突きつけています。
さすがにこの情報はトランプ氏の耳にも入り、認識を改めざるを得なくなりました。そのままではアフガニスタン撤退時の前政権のように、ウクライナの状況悪化が「トランプ大統領のせい」と歴史に刻まれてしまうと気づいたのです。
その結果、ケロッグを来年1月に担当から外し、この和平案を策定したと言われています。同様にネオコン派のマルコ・ルビオ国務長官予定者にも情報は計画が固まったギリギリのタイミングでしか伝えられませんでした。
この計画の本質は、ロシアが有利な戦況にある今、ウクライナ軍が総崩れになる前に停戦に持ち込むことです。具体的内容は以下の通りです。
・ウクライナが既に失った地域をロシア領として認める
・ウクライナ軍の規模を大幅縮小
・NATO加盟を事実上永久に禁止
・米露間の経済関係を再構築(対ロシア制裁を速やかに解除)
・ウクライナの資源開発はアメリカが主導権を握る
これらは報道されている通りです。
このトランプ案に最も猛反発しているのがヨーロッパの指導者たちです。彼らは到底受け入れられず、何とかアメリカに撤回させようと画策しています。
彼らが特に不満なのは、ロシアの凍結資産がアメリカの手に渡ってしまう点です。ヨーロッパにある資産なのにアメリカに行ってしまう――それが悔しくて仕方ないのです。
和平が実現すれば西側全体にとって悪い話ではないはずです。しかしヨーロッパの怒りの本質は、ロシアの凍結資産を手に入れられない苛立ちにあります。彼らはその資産を喉から手が出るほど欲しがっています。その裏には「ウクライナを犠牲にしてでも戦争を継続し、自らの保身とグローバリズム体制を維持したい」という思惑があり、そのためにはロシアの資金が必要だという向出しの本音が見え隠れします。
和平案をさらに読み解くと、そこにはアメリカが巨額の利益を独占するためのビジネスという側面が浮かび上がります。本質は、この和平案に隠された「お金の空ク」です。その核心部分は第14項にあります。
前提として、西側諸国にあるロシアの凍結資産総額は約3000億ドル(約46.8兆円)です。第14項ではこの資産の分割と運用について規定されています。
1つ目:連結されたロシア資産1000億ドル(約15.6兆円)を米国主導の投資に使う。その事業から生じる利益の50%は米国が受け取る。
ポイントは「米国主導の復興投資」という言葉です。ロシアから事実上没収した資金でウクライナのインフラを復興させるわけですが、その工事を受注するのは当然アメリカ企業です。つまりロシアの資金がそのままアメリカ企業の売上へと転換される仕組みです。
2つ目:利益の50%を米国が受け取るという点です。
アメリカがウクライナに対し正面から「武器代金の借金を返せ」と言えば批判を浴びます。そこで復興ビジネスの利益を分け合う形で、事実上の債権回収をしてしまおうという算段です。
たとえばロシアの資金でウクライナに有料道路を建設した場合、そこから上がる通行料金の半分は未来永劫アメリカの懐に入り続けます。名前は「投資利益」ですが、実態は終わりのない債務回収システムです。
この計画はアメリカにとっては大勝利ですが、他の国々はどうでしょうか?
ヨーロッパは第14項で追加で1000億ドルを出資すると明記されているのに、利益の配分には一切触れられていません。こうした不公平な条件に今、ヨーロッパの首脳たちは裏で大騒ぎしています。
一方、ロシアに対しては凍結され半ば諦めていた資金が活用され、さらに領土も得られるという利点があります。残りの資金で米露共同の投資プロジェクトを実施しようとまで持ちかけています。これはプーチン大統領に対し「凍結資産は没収する形になるが、その一部は米露で山分けしよう」と交渉の余地を残す項目です。
表向きは平和と復興という美辞麗句が並んでいますが、その裏にはロシアの資産をもとにアメリカ企業が利益を上げ、さらにウクライナへの貸付金も回収するという巧妙な計画が組み込まれています。
過去の動画でもお伝えしましたが、ベルギーのユーロクリアにある凍結資産3000億ドルの大半はロシアとアメリカが使い道を決め、ヨーロッパは自腹で1000億ドルを出しなさいと言われている形です。だからこそヨーロッパの首脳は激怒しています。
この案はアメリカがロシアの資産を自由に使い、ウクライナの資源開発の利権まで手に入れる一方で、ウクライナには過酷な領土割譲、ロシアにとっても実質的な屈服を強いるものです。ある識者は「ウクライナがロシアに幸福し、ロシアがアメリカに幸福する」計画だとまで言っています。そしてヨーロッパは目の前にあるロシアの凍結資産を手に入れられないことに強く反発しています。
みなさまはこの和平案の実現について、どのようにお考えになりますか?
次に、ロシアの金準備についてです。モスクワ・タイムズがロシア中央銀行が金準備の物理的な売却を開始したと報じました。これを受けて西側メディアは「制裁が効いている証拠だ。ロシアは戦費に困窮し、ついに虎の子の金を切り崩し始めた」と分析していました。
確かにロシアは金を売っています。しかし重要なのは「誰に売っているか」です。国外ではなく国内へ。資金調達ではなく流動性の供給です。
ロシアが金を売っている相手は、ロンドンの国際市場ではなく、ロシア国内の銀行、最終的にはロシア国民です。制裁で外貨が不足する中、中央銀行は保有する金を国内市場に放出することで、国民や企業が安定な外貨の代わりに金を流動性資産として保有できる環境を整えています。
これは困窮による切り売りではありません。国が保有する金を民間に移転換させ、国家全体で金を保有・循環させる分散型の金活用であり、戦略的な移行です。
西側は「売却」という事実だけを取り上げてロシアの弱体化を演出しようとしていますが、実態は国内経済の要塞化が進んでいるというのが本質です。
一方、イタリアでは金の課税が議論されています。イタリア政府は国民が保有する金に対し購入証明がない場合は利益として課税する案を検討しています。これは単純な増税ではなく、国民のタンス預金を炙り出し、国家の債務返済に充てようという狙いです。
ロシアが金を持って国を守ろうとしているのに対し、イタリアは「金を持っているなら国のために税金を差し出しなさい」と言っている――そういうことになりそうです。
今回、トランプ大統領の和平案を通して、現代の国際政治がいかに国益と資本というビジネスな現実的論理で動いているかが見えてきたのではないでしょうか。
表向きの平和や正義という言葉の裏では、ロシアの凍結資産を誰が手にするのかという私なゲームが繰り広げられています。
アメリカはこのゲームの勝者となるべく計画を練り上げました。そしてヨーロッパはその計画から弾き出されたことに怒りを隠しません。
同時にロシアとイタリアの金を巡る政策の違いも浮き彫りになっています。ロシアは金を国民に分散保有させることで国全体を金融要塞へと変えようとしています。一方、イタリアは国民が保有する金を課税対象とすることで国家の財政の穴を埋めようとしています。
以上、今回も最後までご視聴いただき、ありがとうございました。