2025年11月現在、日中関係は高市早苗首相の台湾有事発言をきっかけに急激に悪化しています。中国政府は日本への渡航自粛を呼びかけ、共同世論調査の発表も延期されました。この状況に対し、多くの日本人が内心で喜んでいるという本音が、SNSや世論調査から浮かび上がります。本報告書では、この現象を深掘りし、歴史的背景や経済的影響を分析します。
高市首相は国会で「台湾有事は日本にとって存立危機事態」と発言し、中国の強い反発を招きました。中国外務省はこれを「軍国主義の復活」と非難し、国民に日本旅行の自粛を要請しています。これにより、日中共同世論調査の発表が中国側の要請で再延期されました。「日中共同世論調査」公表、再び延期…中国側「現状の情勢を踏まえて」と通告。この調査では、日本人の中国に対する印象が89%「良くない」と回答し、過去最高レベルに達しています。中国人の対日イメージ大幅悪化:87%が「日本に良くない印象」―日中合同世論調査。
中国側も日本印象が87.7%悪化しており、両国間の信頼は崩壊寸前です。中国の対応は「責任は日本側指導部にある」との声明で、外交的緊張を高めています。中国人の対日印象、大幅に悪化 共同世論調査、情報源「ネット」多く。
第17回日中共同世論調査によると、日本人の中国印象は89%が「良くない」と回答。これは前年比3ポイント減ですが、依然として高い不信感を示しています。一方、中国人の日本印象も急激に悪化し、互いの警戒心が強まっています。中国人の対日イメージ大幅悪化:87%が「日本に良くない印象」―日中合同世論調査。
別の調査では、900万人の日本人が日中関係悪化による仕事への不安を感じていますが、一方で「中国依存からの脱却」を望む声が強いです。RIETI - 日中関係悪化の経済的な影響をどのように考えたらよいか? これらのデータは、多くの日本人が中国との距離を置きたいという本音を裏付けています。
内閣府の外交に関する世論調査(令和6年10月調査)では、中国に「親しみ」を感じる日本人がわずか14.7%に上昇したものの、全体の不信感は根強く、尖閣諸島問題や台湾有事への懸念が主な理由です。外交に関する世論調査(令和6年10月調査)。笹川平和財団の2025年度調査でも、日中関係を「良好ではない」とする回答が74.5%に上り、親近感の変化はわずかです。「日本人の中国に対する意識調査2025」分析結果報告書。
SNSでは、関係悪化を「歓迎」とする投稿が相次いでいます。例えば、ユーザー@0930mikaさんは「中国はヤバイ国という認識が日本人に共有された。高市内閣の支持率が上がる。これは正義がこちらにあるから」と投稿し、1件のいいねを集めました。中国はヤバイ国という認識
また、@hiroforjapanさんは「ほとんどの日本人はむしろ歓迎です。これを繰り返していけば、中国人との付き合いがリスクしかない事が強く認識されていきますので自然と脱中国が進みます」と述べ、関係悪化を経済的脱却の機会と見なしています。脱中国が進む
さらに、@hide_Q_さんは「中国の反日教育がある限り、中国の印象よくならんよ」と、歴史教育の影響を指摘し、233件のいいねを得ました。反日教育の影響
一方で、@yasushetamarkiさんは「中国ビジネスに取り残された人たちが多く、彼らが現行政府を支持」と分析し、経済格差が反中感情を助長していると指摘しています。経済格差の分析
多くの日本人が関係悪化を喜ぶ背景には、複数の要因があります。まず、歴史的トラウマです。日中戦争の記憶や尖閣諸島問題が、反中感情を根強くしています。@shoetsusatoさんは「中国共産党の近現代史の痕跡は血の匂いしかしない」と投稿し、1617件のいいねを集めました。歴史的トラウマ
次に、安全保障の懸念です。中国の領海侵犯や台湾問題が、日本人の不安を増大させています。@kouki_ua_loveさんは「日本は今まで支那人を甘やかし過ぎた。一貫して毅然とした対応をするべき」と主張し、支持を集めています。安全保障の懸念
経済面では、中国依存のリスクが指摘されます。観光や投資のボイコットが起きても、「中国人来なくなるのは嬉しい」との声が多数です。@kittopenさんは「中国人嫌いだから絶対日本来ないで!来ないでくれた方が嬉しい!!!」と投稿。観光ボイコットの歓迎
しかし、一部では日本自身の責任を指摘する声もあります。@ichinomuraさんは「ここまで中国を大きく危険にしたのは日本です。ODAがあったので軍拡ができた」と、過去の援助を悔やんでいます。日本の援助の反省
世論調査でも、これらの感情が反映されています。言論NPOの調査では、日本人の中国不信の理由として「尖閣諸島周辺の領海侵犯」(51.4%)、「共産党一党支配の政治体制」(43%)、「国際ルール違反の行動」(42.7%)が上位を占め、こうした懸念が関係悪化を「当然」とする国民の声を支えています。また、2025年の笹川調査では、日中関係の悪化を「中国側の責任」とする回答が70%を超え、国民の多くが中国の行動を問題視しています。「日本人の中国に対する意識調査2024」分析結果報告書。
喜ぶ声が多い一方で、経済的打撃は避けられません。インバウンド関連株が下落し、900万人が仕事の不安を抱えています。RIETI - 日中関係悪化の経済的な影響をどのように考えたらよいか? @Inbeansppo1さんは「止まらない円安、コメ価格高騰、中国の制裁、マイナス成長」と警告。経済的警告
また、@TanakaDiplomatさんは「日本の国民感情が傷つき、関係悪化の悪循環が始まる。若者達が最も悪影響を受ける」と懸念を表明。若者への影響
内閣府調査でも、経済依存のリスクを懸念する声が30%を超え、長期化すればGDP押し下げ効果が1年分の成長率の半分に及ぶ可能性が指摘されています。マクロスコープ:日中関係悪化、長期化の様相 2012年には自動車輸出80%減も。
中国との国交悪化に対して、多くの日本人が抱く「むしろ歓迎」「これでいい」という本音は、もはや一過性の感情ではなく、長年にわたって積み重なった不信感・恐怖感・疲労感の自然な帰結です。尖閣諸島での執拗な領海侵犯、反日教育による世代を超えた憎悪の継承、経済的依存を盾にした恫喝外交、さらにはコロナ禍でのマスク外交やワクチン外交に見られた「恩を仇で返す」姿勢――これらが日本人の心に刻んだ傷は、簡単には癒えません。世論調査で「中国に親しみを感じない」が9割近くに達するのも、SNSで「来ないでくれて嬉しい」という声が溢れるのも、決して極端な意見ではなく、ごく普通の国民感情の素直な表れなのです。
しかし、国家が感情だけで動けるほど国際政治は甘くはありません。2025年現在、日本は依然として中国を最大の貿易相手国としており、部品・素材・市場の双方で深い相互依存関係にあります。観光・教育・地方経済に至るまで、中国人客や留学生に依存してきた地域は少なくありません。関係が長期的に冷え込めば、2012年の反日デモ時のような自動車輸出80%減、インバウンド関連産業の壊滅、さらにはサプライチェーン混乱による製造業の停滞という現実が再び訪れる可能性は極めて高いのです。喜びの声が大きい今だからこそ、政府はその代償を冷静に国民に示さなければなりません。
同時に、中国側も本気で「日本との関係を切る」覚悟があるわけではないでしょう。習近平政権は国内経済の減速と失業問題に直面しており、日本からの投資・技術・市場を完全に失うことは自国の成長戦略と矛盾します。現在の強硬姿勢は、むしろ国内向けの「愛国パフォーマンス」の側面が強く、実際の行動は外交的圧力や旅行警告という「コントロール可能な範囲」に留まっています。つまり、両国とも「本気で殴り合う」より「睨み合いながら距離を取る」段階にあるのです。
だからこそ日本政府に求められるのは、国民感情を無視も煽りもしない「冷静なバランス外交」です。具体的には、
「中国と仲良くする必要はないが、完全に敵対する必要もない」――この微妙なラインを維持できるかどうかが、今後の日本外交の試金石となります。国民の本音は尊重されるべきですが、国家の命運は感情だけで決めることはできません。2025年のこの危機は、日本が「感情の国」から「現実の国」へと成熟する契機ともなり得るのです。