イラン・アメリカ・イスラエルの戦略的状況を踏まえた分析と考察 (2025年6月24日)
私見
- トランプは米国の中東でのさらなる軍事関与を望んでいない。
- イランのカタール米軍基地へのミサイル攻撃は「一発ずつの象徴的報復」であり、アメリカも「拡大を望まず」冷静に受け止めている。
- イスラエルだけは、さらなるエスカレーション(拡大)を望んでおり、その背景にはネタニヤフ首相の政治的延命や地域覇権の思惑がある。
- イランはアメリカとの戦争拡大は避けたいので、今後はイスラエルへの経済インフラや重要施設への攻撃を集中することで、イスラエルの国家機能を麻痺させることを狙うだろう。
- うまく行けば、時間はかかると思うが、「イスラエル人」の国外逃亡が始まり、パレスチナ人が開放される。
さらなる見解
- イランの本音:
イランは「アメリカとの全面戦争」は絶対に避けたがっていると思います。国内経済も疲弊し、社会的支持も限定的です。したがって、アメリカに対しては「象徴的な報復」にとどめ、「これ以上は本気でやり合う気はない」というメッセージを送った形だと思います(実際、トランプのコメントもその意図を理解している発言です)。
- イスラエルの事情:
イスラエルは、イランとの対立をさらに激化させることで、地域での「生存の正当性」やネタニヤフ政権の延命、国際社会(特に米国白人ユダヤ富豪)からのさらなる支援を引き出す狙いがあると考えられます。つまり、「被害者カード」を最大限活用したいのだと思います。
- イランの今後の行動:
イランがアメリカとの大規模戦争を避けつつ、イスラエルの「国としての機能」を狙い撃ち(経済インフラ・発電所・軍事基地・核施設など)、人的被害は極力避ける行動に出ると思います。イランは直接的な軍事衝突よりも、サイバー攻撃やミサイルなどの「非対称的手段」でイスラエルを長期的に消耗させる作戦に出ると思います。
- 今後の国際反応:
アメリカが「本気で巻き込まれたくない」姿勢を取り続ければ、イスラエルの孤立感が強まり、一方で、イランが「エスカレーションはしないが、イスラエルへの圧力は強める」方針を貫けば、中東のパワーバランスは大きく変わる可能性があると思います。
まとめ
アメリカとイランは「これ以上は拡げたくない」という暗黙の合意ができつつあり、今後はイスラエルが「主戦場」となりやすい構図です。イランはイスラエルの国家基盤(経済・エネルギー・通信・核施設など)を狙った「持続的・間接的」な攻撃を強化し、イスラエルの国際的・国内的信用を揺さぶる戦術に出るでしょう。
今後も両国の「一線越え(レッドライン)」にアメリカがどう反応するか、そして国際社会がどこまで抑止力を発揮できるかが最大の焦点です。 トランプへの米国国内での世論、議会でのトランプ弾劾の動きも注目すべきでしょう。