ニマ:
ラリー、オーストラリアで起きている状況をどう理解すればよいのでしょうか。父親と息子が海岸で人々に発砲しているのです。ボンダイ・ビーチだと思います。現地にイスラエル人の友人がいますが、彼らは「ヒズボラか、ハマスか、イランが関係しているのではないか」と話しています。
しかし、この2人の男たちは、サラフィ主義系のジハード主義者、つまりISISのような連中であるように見えます。私は2017年以来、イランで何が起きているのかをずっと追ってきましたが、こうしたグループは過去に10回以上イランでテロ攻撃を実行しています。テヘラン、シーラーズ、ケルマン、アフヴァーズなどで、多くの人々がこうしたテロ攻撃で殺されました。
それなのに今、彼らはイランやハマス、ヒズボラのせいにしています。しかし、ハマスはガザにいて、状況は壊滅的です。今ガザで起きていることを見れば、ハマスがそこから離れてオーストラリアで人々を攻撃するなど、どう想像できるでしょうか。ガザで戦っている代わりに、なぜオーストラリアの人々を襲う必要があるのか、その意味がまったく分かりません。
ウィルカーソン大佐:
ここには、はっきりと述べ、繰り返し強調すべき重要な論点がいくつかあります。
第一に、現在、世界中で反ユダヤ主義の高まりを最も大きく引き起こしている原因は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相です。ハマスでもヒズボラでも、ネタニヤフが名指しするどの勢力でもありません。彼は、自分の役割と責任から人々の注意をそらすために、別のものだと言い張っているのです。彼こそが、世界における反ユダヤ主義の最大の原因です。
第二に、彼は現在、あらゆる種類のプロパガンダ作戦を展開しています。その中には、あまりにも粗雑で、彼自身を愚か者のように見せるものすらあります。しかし、彼はそれが効果的であると分かっているので、「なぜまたやらないのか」と考えているのです。かつて彼はヒズボラをめぐって同じことを行い、今はハマスに対してそれを行っています。
彼は、西側世界に、「ハマスが世界的に行動し、南米、北米、地球上のあらゆる場所で人々を攻撃する」という「インテリジェンス(情報)」と称するものを大量に流しています。これは、20〜30年前にヒズボラをめぐって行われたことと同じです。当時、ブエノスアイレスやロンドンに「ヒズボラ」がいたことにされました。しかし、それらはイスラエルによる偽旗作戦でした。そして、彼らは再び同じことを行うでしょう。
こうした偽旗攻撃では、通常は誰も殺されず、建物などの財産を爆破する程度です。ただし、ブエノスアイレスでは一部の人々が殺されましたと、私の記憶ではそうです。いずれにせよ、それが彼のやっていることです。彼はこうした類の工作にかけては達人です。
第三に、武器が手に入り、民間人が集まる場所であればどこででも、憎悪と殺戮が発生するという現象があります。この現象について、世界は「イスラエル関係」「ISIS関係」「アルカイダ関係」などという単純なラベルだけで対処するのではなく、別の基盤に立って向き合う必要があります。
なぜなら、帝国(アメリカ)側が利用しているのは、これらすべての組織だからです。私たちはISIS、アルカイダ、ジャマーイア(ジャマ・イスラミーヤ。今ではほぼ消滅しましたが)、フィリピンのモロ民族解放戦線など、あらゆる組織に諜報資産を持っています。グループ名を挙げてみてください。ラシュカル・エ・タイバでも何でも構いません。我々はそうした組織の内部に人間を潜入させており、利用したい時にいつでも利用します。イスラエルも同じことをしています。ヨーロッパ諸国も同様のことをしていると推測しますし、少なくともロンドンはそうだと断言できます。
このように、世界を揺るがし、オーストラリアの海岸で起きた事件を含め、人々を殺すテロの多くは、世界中で行われている諜報活動の産物、あるいは副産物なのです。帝国とその従属国は、これらの組織を利用して、敵に対して有利な立場を得たり、影響力を拡大したりするために、ある種の戦略的な手段として使っています。つまり、私たち自身が、この混乱をかき回しているのです。
同じことは、太平洋側やカリブ海側で起きている麻薬密売人の殺害にも当てはまります。私たちは麻薬戦争に実際には影響を与えていませんが、「政治的な見せかけ」として、あたかも関与しているかのように装っているのです。それは悪趣味な冗談です。ただし、そこでは人々が実際に死んでいますから、極めてマカブルな冗談です。
リンゼイ・グラハムに話を戻しましょう。彼は人が死ぬことを気にしません。自分自身でなければ、また自分の子どもでなければ構わないのです。彼には子どもはいないでしょう。結婚もせず、政府や国家に「結婚」しているような男だからです。これがリンゼイ・グラハムです。
以前から何度も言っているように、これは「作り話」ではありません。文字通り、台本どおりに進行しているのです。そして、その台本を書いているのは帝国です。帝国は急速に衰退しており、その衰退スピードは、私がかつて予想していたよりもはるかに速いのです。
他の勢力がその空白を埋めようとしています。古い秩序と新しい秩序の間に生じた亀裂の中で、今起きているさまざまな出来事の多くは、帝国やイスラエルのようなその従属勢力があおり立てているものです。しかし、それは何の役にも立ちません。ただ、多くの人々を殺し、傷つけ、大きな苦痛を生み出し、新聞が書き立てる材料を増やすだけです。帝国を救うことにはならないのです。
帝国は崩壊しつつあり、その崩壊は私が思っていた以上に、はるかに速く進んでいます。
ウィルカーソン大佐:
英国を見てみましょう。かつて「太陽の沈まない帝国」と呼ばれた最後の大帝国です。この帝国が歴史の表舞台から退くまでには、1890年頃から1956年までの長い時間がかかりました。1956年には、英国は単なる「ぶら下がり」国家、つまりアメリカ帝国の足元に取りすがる、代行的な追従者のような存在になりました。そして、それ以来ずっとアメリカの力に生きながらえてきたのです。
しかし、棺に取りすがってどうやって生きるのでしょうか。彼らがこれからすがりつこうとしているアメリカは、まさに棺となりつつあるからです。
ニマ:
驚くべきことに、オーストラリアで起きた出来事の結果は、ネタニヤフの政治的立場をむしろ強めていますね。
ウィルカーソン大佐:
もちろんです。それこそが目的だからです。半分とは言いませんが、こうした出来事の少なくとも10%、おそらく15%程度は、NATOやモサド、MI6、CIAによって企図されていると私は推測します。
私は今、最高機密レベルのインテリジェンス・ルートを持っているわけではありません。しかし、それでもなお、少なくとも一部はそうした形で「仕組まれている」と推定せざるを得ません。
もう一つ、別のことをお話ししましょう。これは本当に恐ろしいことです。私は先日、ブッシュ政権について執筆していた本のある章を友人に渡し、読んでもらいました。出版するつもりはなく、大部分は焼却してしまっていました。その友人に「読んでみてどう思うか教えてほしい」と頼みました。
彼は読み終えると、「本当にこんなことが起きているのか」と聞いてきました。私は「そうだ。実際に起きている。CIA、MI6、モサドが関与している」と答えました。そして、重要なのは、多くの場合、アメリカ合衆国大統領自身がそれを知らないまま行われているという点です。
何が起こっているかというと、国家安全保障会議(NSC)のメンバーが「大統領の認可(プレジデンシャル・ファインディング)」を受け取るか、あるいは単に「言葉」を受け取るのです。その指示は必ずしも大統領本人から出るとは限りません。大統領首席補佐官やNSCの主要メンバーから出ることもあります。そして、その作戦は徹底した秘密のベールに包まれ、知っているのはせいぜい6人程度です。
彼らはSEALチーム2やSEALチーム6を呼び出し、カリブ海地域などに送り込んで、人々を暗殺させるのです。これが今の世界で私たちがやっていることです。これが現代の「やり方」です。
そして、大統領が変わり、選挙が行われても、その作戦は止まりません。行動は継続します。別の人物がその作戦の「コードワード」を引き継ぎ、監督者となり、活動は途切れることなく続いていきます。
ウクライナを思い浮かべてください。2002年頃から今日までをざっと考えてみてください。その間、複数の大統領が交代しましたが、こうした作戦はずっと継続していました。オバマ大統領もそのど真ん中にいました。
そこで自問してみてください。「当時の大統領は、本当にその作戦が継続していることを知っていたのか。新しい大統領は、前政権が開始した行動が自分の任期中も続いていることを理解していたのか」と。多くの場合、その答えは「ノー」です。
CIAは、それ自体が一つの権力となっています。ハリー・トルーマンが退任後に寄稿した論説で、「自分が創設したものをもはや認識できない」と述べた時、彼はただの比喩で語っていたのではありません。「CIAに気をつけろ。あれは獣だ」と警告していたのです。それは決して大げさな表現ではありませんでした。
そして、これこそが、現代において我々が物事を進めるやり方なのです。
ウィルカーソン大佐:
ネタニヤフは、こうした手法において完全な「天才」と言える存在になっています。彼は今、基本的にはオーストラリア政府に圧力をかけようとしています。「パレスチナ国家を承認すれば、オーストラリア国内のユダヤ人社会に対する不安定化が増す」とほのめかしているのです。
さらに、「イスラエル以外の場所にいるユダヤ人は安全ではない。イスラエルにいる方がはるかに安全だ」と言いたいわけです。今回の出来事がもたらしたもう一つの効果は、まさにそうした主張を強化する材料になっていることです。これは、非常に問題のある状況だと私は考えます。
ネタニヤフが、さらに100万人規模の市民の支持を失っている理由はそこにあります。彼のように孤立した立場に追い込まれると、人間には選択肢がほとんど残されていません。
この点について、ある意味で彼を完全には責めきれない部分もあります。なぜなら、彼にはもはや「引き返す」という選択肢がないからです。彼ができるのは、ひたすら「倍賭け」「三倍賭け」していくことだけです。後退も撤退もできません。
それは、独裁者が「虎から降りる」ことに似ています。虎から降りれば食い殺されます。しかし、虎に乗り続けても、いずれ食い殺されます。それでも、乗り続けるしかないのです。彼はいま、その虎に乗っており、もはや降りることができません。そのため、彼は「倍賭け」「三倍賭け」を続けるしかないのです。
彼は、自分自身こそが、最近の反ユダヤ主義高揚の最大の原因であることを認めることができません。その事実、その現実を、彼の精神は受け入れられないのだと思います。もしそれを受け入れることができれば、もっと現実的に対処できるはずですが、彼はその事実を絶対に受け入れないでしょう。
彼は、自分が世界中に向けて流しているプロパガンダを、自分自身も信じ込んでしまっています。私がエリック・シャロン(アリエル・シャロン)について最後の方で最も鮮烈に感じたのも同じです。彼は亡くなる直前、一瞬だけ「悟り」のようなものを得たように思えました。しかしそれでも、最終的には自らの最大の敵になっていました。ネタニヤフは、その何千倍も自分自身の最大の敵になっています。
おそらくいつか、彼は何かに「目を覚まされる」瞬間を迎えるでしょう。しかし、その時にはすでに手遅れです。一度、この種の悪質で残忍な道を歩み始めると、もう引き返すことはできません。進み続けるしかないのです。
より深く、より広く、より強固にしていき、その支配範囲により多くの人を巻き込んでいくしかありません。そうしなければ、自分自身が崩壊するからです。
ある意味では、ドナルド・トランプも同じタイプの人物です。ただし、彼の場合はより道化的です。彼にはサーカスのような人格があります。彼は詐欺師であり、山師であり、「大統領らしさ」とはかけ離れた人物です。しかし、それでも彼は権力の座に就き、同じようなことを行っています。
ネタニヤフは、もし彼がこの国(アメリカ)で政治家だったなら、非常に有能で成功した大統領になれたであろうだけの才能と技量を持っています。しかし、彼は邪悪です。彼は「悪」そのもののような人物です。
ドナルド・トランプについては、そこまで断定的に「悪人」と言い切ることはできません。なぜなら、彼には、自分が本当に何をしているのかを認識できるような精神的能力が完全には備わっていないのではないかと感じるからです。しかし、ネタニヤフは違います。彼は自分が何をしているかを十分に理解した上で行動しているのです。
今朝、私のもとに一通のクリスマスカードが届きました。そこには、私がイスラエルを批判していることへの批判が書かれていました。それを読んで、私は本当に腹が立ちました。「いったい、どうすればガザで起きていることを目にしてなお、イスラエルを批判したいと思わずにいられるのか」と。
どうすれば、あの状況を見てイスラエルを批判しないでいられるのか、私には理解できません。そんなことができる人間は、私がこれまで出会ってきた人間とはまったく別種の人間だと言わざるを得ません。
ニマ:
ラリー、もう一つの事件はシリアで起きました。アメリカ軍兵士が攻撃された事件ですが、あれはISISによるものだとされていましたね。たしか、アイオワ州の州兵が関係していたと思います。
ウィルカーソン大佐:
そのとおりです。まさにその事件です。国家警備隊ですね。公式説明では、「ISISの一派」による攻撃とされました。
しかし実際には、「ISISの一派」とされる勢力の一部と、シリア政府内部の一部勢力が入り乱れており、攻撃を仕掛けた人間たちはその混成体の一部でした。シリアでは、政府側にもISIS側にも、さまざまな派閥が入り乱れて存在しており、全体として巨大な混沌が生じています。
彼らは、地域全体を感染させるような「何か」を生み出してしまいました。シリアで作り出されたものは、この地域の周辺諸国すべてに広がっていくでしょう。そして、これをどう制御すればよいのか、もはや誰にもよく分からないのです。
かつては、「バッシャール・アル=アサドこそが究極の悪だ。彼があれこれ悪事を行っている」と言われていました。しかし、今のシリアを見てください。彼ら(西側諸国や同盟国)がシリアに対して行ったことを考えてみてください。
ウィルカーソン大佐:
ズビグニュー・ブレジンスキーと、その仲間たち、そして例の議員――名前を忘れてしまいましたが、映画にもなった「チャーリー」という男です――が、アフガニスタンのムジャヒディンと取引をし、彼らを支援し、武器を供与しました。
彼らはソ連のハインド攻撃ヘリコプターを撃ち落とすために、レッドアイ(あるいはスティンガー)といった携帯地対空ミサイルを渡し、その成果を見て笑っていました。しかし、誰も「この戦闘が終わった後、彼らはどうするのか」を考えませんでした。
そして、我々はその後も決して立ち止まりませんでした。ISISであれ、アルカイダであれ、ラシュカル・エ・タイバであれ、ジャマーイアであれ、アブ・サイヤフであれ、組織の名前は問いません。状況が自分たちにとって都合が良ければ、我々は彼らを利用します。彼らの中に入り込み、潜入し、操作するのです。
時には、「ブルー・オン・ブルー」と呼ばれる状況すら発生します。たとえば、ある場所に海兵隊員がいて、少し離れた場所にCIAの工作員がいるとします。海兵隊員は「ISIS戦闘員」に向けて発砲しているつもりですが、その実態はCIAのエージェントです。「撃つのをやめろ、海兵隊員。俺はお前の側の人間だ」と叫ぶ。しかし、もし私がその海兵隊員の立場なら、撃ち続けていたかもしれません。
シリアでは、まさにそうしたことが実際に起きました。そして、そこにネタニヤフが指を突っ込み、エルドアンも介入してきたため、完全な混乱状態となりました。
こうした人々と関わると、その腐敗や邪悪さの一部は必ず自分たちにも染みつきます。それは避けようがありません。邪悪さがCIAからISISに伝播しているのか、あるいはISISからCIAに伝播しているのかは分かりません。しかし、いずれにせよ、邪悪さはそこに存在し続けています。
我々は、フィリピンからインド・パキスタン国境に至るまで、世界各地でスズメバチの巣を突くような真似をしてきました。「テロとの世界戦争」と称して、それらの組織を次々と「浸透・利用」し、その後も自分たちの目的のために使い続けてきました。そして、一度この浸透工作を始めてからというもの、我々はずっと同じことを続けているのです。
シリアは、その最も露骨な事例です。
ウィルカーソン大佐:
私はいつも、2002年のことを思い出します。当時、アルカイダに関する最良の諜報情報を我々にもたらしていた国の一つがシリアでした。バッシャール・アル=アサド政権です。
そして、単に情報提供だけでなく、多大な支援をしてくれていたもう一つの国がイランでした。あなたが先ほど指摘したように、イランはテロリストに関して、我々と同じくらい、いや、もしかするとそれ以上に深刻な問題を抱えていました。あなたが言ったように、テロ攻撃で多くのイラン人が殺害され、大きな被害が出ていたのです。
ですから、その時点では、我々はイランに共感し、シリアに共感していました。アフガニスタンでタリバンやアルカイダと戦う際にも、イランの協力は「便利」だったのです。
しかし、問題は、それが「都合の良いときだけ」であるという点です。我々が他国に共感し、協力を求めるのは、自分にとって便利な間だけです。用が済めば、彼らは再び「敵」とみなされます。
私は、これをどう説明すべきか分かりません。ただ一つ確かに言えるのは、我々は特殊部隊を抜本的に見直し、改革しなければならないということです。地中海地域でもカリブ海地域でも、多くの場合その背後にいるのは特殊部隊です。そして、CIAについても同じことが言えます。CIAに対しても、何か根本的な改革を行う必要があります。
それを行わない限り、我々は今後も同じ問題に何度も直面することになるでしょう。仮に有能で、真に優れた大統領が現れたとしても、同じです。そのような大統領がどこから現れるのか、見当もつきませんが、仮に現れたとしても、彼または彼女は、ジョン・F・ケネディが直面したのと同じ壁にぶつかることになります。
ケネディは、アメリカン大学で演説を行い、キューバ侵攻作戦(キューバへの軍事介入計画)に終止符を打とうとしました。その結果、彼は暗殺されました。これが帝国というものです。帝国とは、歴史上いつの時代も、この種のことを日常的に行ってきた存在なのです。
ニマ:
シリアで起きていることは、イランとロシアの双方にとって、巨大な警告だと思います。というのも、アフガニスタンの不安定化が、結果としてアルメニア、アゼルバイジャン、そしてあなたが指摘したグルジア(ジョージア)、南コーカサス地域へと波及しているからです。
誰も、その地域にNATOが入り込むことを望んでいません。あの地域でNATOを歓迎する国は一つもありません。
ウィルカーソン大佐:
そのとおりです。そこにはいくつかの理由があります。
まず第一に、彼らはそもそもNATOという存在そのものを好んでいません。第二に、彼らは、自分たちの北側にいる巨大な存在――ロシア――にとって、それが何を意味するかをよく理解しています。NATOが自分たちの周辺で動き回るということが、どれほどロシアを刺激しうるかを知っているのです。
ロシアは、彼らにとって取るに足らない国ではありません。彼らはロシアと何世紀にもわたり付き合ってきました。ロシアが自分たちの頭上に覆いかぶさるように存在してきた歴史を経験しています。その意味を熟知しているのです。
だからこそ、彼らは「うまくやっていくこと」を望みます。ロシアとある種の関係調整(モードゥス・ヴィヴェンディ)を保ちたいのです。彼らはお金を稼ぎ、健全な経済を築き、まともな統治を行いたいと考えています。
もし独立を維持し、ある程度の経済と、そこそこの統治を望むのであれば、ロシアを怒らせることはできません。ロシアと適切な妥協を図らなければならないのです。
そして、その「妥協」とは、少なくとも現在の状況においては、「NATOを周辺に呼び込まない」ということです。NATOは、自らの寝床を完全に汚してしまいました。もはやどこでも安眠できる場所はありません。
とりわけ、ロシアが利害関係を持つ地域で、NATOがそこに居場所を見つけることなど、もはや不可能なのです。