リッター氏は、トランプ氏の反応を「反射的」で「無知に基づく」とし、プーチン大統領がウクライナにミサイルを発射したことを「狂気」と非難した一方で、ウクライナによるプーチン暗殺未遂事件については無知だったことを「極めて問題」と指摘している。
誰がトランプ氏にブリーフィングしているのか疑問視し、もしアメリカの諜報機関がウクライナによるプーチン暗殺未遂を支援していた場合、ロシアの核ドクトリンを踏まえれば影響は極めて深刻だと述べる。ロシアの核ドクトリンでは最高司令官への攻撃が核報復を誘発する可能性があり、トランプ氏がこれを理解していないことを批判している。
リッター氏は、民間人犠牲者の大半はロシアの攻撃ではなく、ウクライナの防空ミサイルの不発弾によるものだと主張し、ロシアは「軍事目標のみを攻撃した」と説明。トランプ氏はこの事実を十分に説明されておらず、気づいていないと述べている。
トランプ氏の武器の射程距離制限解除に関する発言は、ロシアに戦略攻撃と解釈され核攻撃を正当化する可能性があり危険だと指摘。以前はこのリスクを理解していたが、今は忘れたか無視していると述べる。
トランプ氏の核エスカレーションリスクに関する一貫性のなさと理解不足について、「ドナルド・トランプは今、非常に危険な人物だ」と厳しく評価している。
トランプ氏を「最後に耳元で甘い言葉を囁いた人物の虜囚」と表現し、意見が最後に助言した人物に大きく影響されていると指摘。現在の影響力のある人物としてキース・ケロッグ氏とマルコ・ルビオ氏を挙げている。
ロシアは「方針を堅持」し、「トランプ氏の発言を無視」しており、彼の発言にかかわらず自らの戦略を継続していると述べている。
米国の対ロシア政策はトランプ政権下でも変わらず、ロシアもそれを認識している。トランプ氏の行動は、平和や関係改善を望むという言説と一致していないと指摘している。
ウクライナの顧問がロシアの交渉担当者に「3人のボス」がいると語り、そのうちの1人が米国であることを認めた逸話を紹介。これにより、ウクライナは完全な主権国家として行動しておらず、米国の利益がウクライナの行動を左右していると主張している。
スコット・リッター氏の発言は、トランプ氏のロシア・ウクライナ紛争に対する理解、核リスクの把握、ブリーフィングの質を厳しく批判しつつ、政権に関係なく米国の対ロシア政策が継続していることを強調している。