本稿は、ラリー・ウィルカーソン大佐が指摘した「powers behind the throne(玉座の背後にいる権力者たち)」の実体を、公開情報・公式文書・調査報道に基づき徹底解剖する統合分析である。ネタニヤフ首相の背後には「シリコンバレーのシオニスト・テック億万長者」「ウォール街の巨大資産運用会社」「米国内親イスラエル・ロビー団体」という三層構造が存在し、彼らは単なる支援者ではなく、軍事技術基盤、政策決定、戦後統治設計までを掌握する「民営化された帝国」の中枢である。
【参照元】Danny Haiphong Show (2026年4月15日) : Col. Wilkerson発言「Donald Trump is trying to extricate himself ... powers behind the throne」
⚡ 核心的発見
ネタニヤフの背後には、「テック億万長者」「資産運用会社」「ロビー団体」の三層権力ネットワークが存在。彼らはイスラエルの軍事技術基盤を支え、米国政策を資金と技術で誘導し、ガザ戦後統治計画「GITA」までも設計している。ネタニヤフはこの構造の「表看板」に過ぎない。
PayPalおよびPalantir共同創業者、純資産約240億ドル。表向きはリバタリアンを自称するが、実態は「シリコンバレーの外皮をまとったシオニスト・タカ派」である。2025年9月、シリコンバレーの有力VCらとエルサレムを訪問、結婚式名目ながらブラックストーン幹部やPalantirのジョー・ロンズデールらと共にネタニヤフ首相と会談した。
📌 Calcalist「What’s Peter Thiel doing in Israel?」2025年9月2日
さらに衝撃的なのは、故ジェフリー・エプスタインがティールのPalantir事業拡大に関与していた事実である。エプスタインは元イスラエル首相エフード・バラック(国防相在任中にエプスタインと親密)を仲介役として、Palantirとイスラエル軍のAI提携を促進。この技術は現在ガザとイランで使用されている。バラックは2013〜2017年にエプスタイン邸を30回以上訪問。バージニア・ジュフリーが証言した「首相」とはバラックを指す。
📌 Wall Street Journal 調査報道 (バラック接触36回以上確認) / Giuffre訴訟文書
ティールはまた、2025年9月にニューヨークで開催されたネタニヤフとのAI非公開会合に参加。同席したPalantir元顧問ジェイコブ・ヘルバーグは、後にトランプ政権で国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)に指名された。議論の焦点は「AIをイスラエルの経済強化と軍事的優位性維持にどう活用するか」であった。
Oracle創業者。トランプ政権アドバイザーから「影の大統領」と呼ばれるほどの影響力を持つ。イスラエルへの傾倒は徹底しており、Oracle営業責任者シュムリク・ハウザーは2025年10月にこう述べた。
エリソンの関与は多層的である。
📌 Lighthouse Reports & Byline Times 共同調査「Blair and the Billionaire」(2025年9月24日) / Byline Times「Pro-Trump Tech Billionaires Are Poised to Cash In on Gaza Peace Deal」(2025年10月16日)
Byline Timesは、この計画が「イスラエル軍がガザでパレスチナ人を標的にするために使用したのと同じデジタル技術を、平時のインフラに静かに組み込む」ものであり、「トランプ支持の億万長者たちが利益を得る構造」と指摘する。
OracleとPalantirは2024年4月に戦略的提携を発表。両社は「デジタル統治と防衛のための単一の運用基幹」を形成している。この枢軸こそが、ガザ戦後統治からイラン戦争までをカバーする、新たな「民営化された帝国のインフラ」である。
運用資産13.5兆ドル。国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼから「イスラエルの軍事経済の背後にいる主要投資家の一つ」と名指しされた。2025年の国連報告書によれば、ブラックロックは以下の企業の主要株主である。
ブラックロックはイスラエル国債への主要投資家でもある(2024年3月80億ドル、2025年2月50億ドルのドル建て国債発行)。防衛関連ETF「iShares U.S. Aerospace & Defense ETF」(32億ドル) を運用し、上位保有銘柄にはRTX、ロッキード、ノースロップ、Palantirが含まれる。2026年3月には、ピート・ヘグセス国防長官のブローカーがイラン戦争直前にこのETFへの投資をブラックロックに打診したとの報道もある(国防総省は否定)。
国連特別報告者は2025年報告書で「主要金融機関によるイスラエルの軍事・占領経済への投資は、『人権侵害への加担』から『残虐犯罪への共犯』へとエスカレートする可能性がある」と警告。
📌 UN Human Rights Council A/HRC/59/23「From economy of occupation to economy of genocide」
JPモルガンはイスラエルでの商業銀行業務を拡大し、スタートアップやハイテク企業への資金提供を強化している。
これは単なる人材登用ではない。JPモルガンは「AIを投資銀行の構造的柱にする」戦略転換をイスラエル軍情報部出身者に委ねた。ウォール街最大の銀行とイスラエルの軍事技術エコシステムの深い結びつきを示している。
カジノ王シェルドン・アデルソンは2021年に死去したが、政治的遺産と資金力は妻ミリアム・アデルソンを通じて健在。夫妻は「米国大使館のエルサレム移転」に1億ドルを寄付、2020年大統領選ではトランプ支援に約9,000万ドルを投入した。
2025年11月、ミリアム・アデルソンは共和党下院議員トーマス・マッシーを予備選で落選させるため、数百万ドル規模のスーパーPACキャンペーンを主導。マッシーは「米国のイスラエル支援」と「外国ロビーの影響力」を公然と批判してきた人物である。マッシー自身、アデルソン以外にヘッジファンド運営者ポール・シンガーやジョン・ポールソンを「自分に対するキャンペーンを組織するキープレイヤー」と名指ししている。
📌 Cincinnati.com「Who's behind the millions being spent in Massie-Gallrein race」2026年2月24日 / OpenSecrets.org
AIPACは年間1億5,000万ドル以上を投じ、24時間以内に上院議員70名を動員できるとされる。国務長官や国家安全保障顧問といった要職への親イスラエル派の任命はAIPACの影響力を反映。アデルソンは生前、AIPACを「穏健すぎる」と批判し、より強硬な「イスラエル系アメリカ人評議会(IAC)」を支援。IACは超党派主義を標榜せず、「共和党のみの支持でも法案を推進する」姿勢を取る。
ティールの影響力は軍事技術や政治資金にとどまらない。2026年1月、米国エネルギー省は国内ウラン濃縮能力強化のため総額27億ドルの発注を3社に行った。うち1社が、ティール出資の核燃料スタートアップ「General Matter」である(9億ドル獲得)。
背景には以下の地政学的現実がある。
この動きは「戦略物資の供給網における民間企業の影響力を飛躍的に高める」ものであり、安全保障と利益追求の境界線を極めて曖昧にする。ティールはイスラエルの軍事AIから米国の核燃料サプライチェーンまで、現代の覇権を握るあらゆる戦略領域に足場を築いている。
📌 Reuters「US awards $2.7 billion worth of orders to boost uranium enrichment」2026年1月5日 / 米国エネルギー省公式発表
以上の調査から浮かび上がるのは、以下の三層構造の権力ネットワークである。
このネットワークの特徴は、従来の「国家対国家」の枠組みを超越し、テクノロジー企業・資産運用会社・ロビー団体が「民営化された帝国」として中東政策を実質的に運営している点にある。ネタニヤフはこの構造の「表看板」に過ぎず、真の権力はこれらのプレイヤーが握る資金・技術・情報のトライアングルにある。
ウィルカーソン大佐が警告した「玉座の背後にいる権力者たち」とは、まさにこのグローバル権力ネットワークを指す。そして彼らは、ガザ戦後統治計画(GITA)やウラン濃縮事業に象徴されるように、「戦争の次」までも設計し始めている。
📌 本統合レポートは、Danny Haiphong Show 2026年4月15日配信分、Col. Wilkerson発言、ならびに国連報告書、Lighthouse Reports、Byline Times、DOE公式発表、Calcalist、Reuters、Wall Street Journal等の公開情報に基づく。