李斯(りし)
秦の丞相。政敵への讒言や権力闘争で有名だが、最終的に宦官趙高と結託し、政敵を粛清。やがて趙高の謀略で失脚、一族皆殺し(三族誅滅)に。
韓信(かんしん)
漢の有名な武将。劉邦に仕えたが、帝位を狙った疑いで粛清され、一族も処刑。敵国協力の直接例ではないが、連座制の象徴的エピソード。
陳宮(ちんきゅう)・高順(こうじゅん)
呂布の参謀・将軍。呂布と共に曹操に降伏するが、曹操は「裏切り者」として家族もろとも処刑。
三国志原文(中国哲学書電子化計画)
王允(おういん)
董卓討伐後、王允は呂布を利用したが、呂布の離反で逆に家族諸共処刑される運命となった。
張弘範(ちょうこうはん)
宋から元へ降った将軍。最後は粛清され、一族も処刑。
文天祥(ぶんてんしょう)
宋末の忠臣。元に降らず一族で殉国。対照的に降官は社会的抹殺や粛清されることも多かった。
呉三桂(ごさんけい)
清軍を引き入れたことで有名な明末の将軍。清に重用されるも、最終的に「三藩の乱」で敗北し、一族全員が処刑。
洪承疇(こうしょうちゅう)
明の高官から清に降り、重用されつつも「裏切り者」の烙印で名誉を回復できず、家族も清朝末期に粛清対象となった。
李鴻章(りこうしょう)
清末の外交官・政治家。列強協調や降伏外交で「売国奴」批判を受け、死後一族も排斥対象となった。
汪兆銘(おうちょうめい/汪精衛)
日中戦争期の南京国民政府トップ。終戦後「漢奸」として処刑され、一族も社会的制裁。家族は財産没収・社会的追放を受けた。
満州国の協力官僚(例:溥儀・吉田久一など)
ソ連軍進駐・新中国成立後、協力官僚は多数が粛清・投獄・財産没収。一族も長年にわたり就学・就業・社会的排除の対象に。
文化大革命・「反革命分子」
1949年以降、旧国民党政府や対外協力官僚の家族も「反革命分子」とされ、連座による社会的制裁や迫害例が多発。
ネット上の「売国奴」認定と社会的排除
現代中国では、政府批判や対外協力的な言動をSNS等で「漢奸」と糾弾し、家族もネットリンチ・社会的制裁の対象となることがある。