本稿は『中国財政支援2026年継続の裏側│地方政府ABS急増と資金フローの変化を解説』(https://www.youtube.com/watch?v=NbO5US0vaak)の内容と各種補足報告から再構成した資料です。
中国経済を巡る動きが複数入ってきています。まずは12月28日のブルームバーグによりますと、中国が2026年も財政支援を継続する方針を明らかにしたとのことです。
そうですね。重要なのは財政支出の基盤拡大という表現です。これまでの金融緩和中心からより直接的な財政出動へとポリシーミックスをシフトさせようとしている。ファンドマネージャーの視点で言えばこれは資金フローの経路が変わることを意味します。金融緩和は銀行システムを通じた間的な資金供給ですが、財政支出は政府が直接インフラや消費刺激に資金を投入する。
つまり特定のセクターに資金が集中しやすくなるんです。
なるほど。資金の流れ方そのものが変わると具体的にはどのセクターに注目すべきなんでしょうか?
インフラ関連建設機械といった川上産業ですね。それと消費刺激策が含まれば小売りや消費剤。
日本企業で言えば建設機械メーカーや産業用部品メーカーの体調輸出が恩恵を受ける可能性があります。ただし注意すべきはこの政策が外部環境の悪化、特に米中貿易摩擦への防衛的な対応だという点。成長の質よりを重視した政策は中長期的には過剰投資やのリスクもはんでいます。守りの姿勢が強いということですね。
これに関連して同じ日のファイナンシャルタイムズの報道では中国の地方政府が資産担保証券わゆるABSの売却を記録的に増やしているという話も入ってきています。
これは非常に重要なシグナルです。ABSというのはアセットバッケセキュリティズの略でインフラ資産や将来の料金収入などを裏付けとして発行する証券のことですね。
地方政府がこれを休増させているというのは要するに資産を切り売りして現金化しているということです。背景には不動産市場の低名による土地売却収入の激減がある。中国の地方政府は長年土地使用の売却で財政を賄いましたがその収入源が枯渇しつつあるんです。
資産の切り売りとなるとかなり追い詰められている印象を受けますが、
その通りです。ファンドマネージャーとしてはこれを隠れ債務の貸化と捉えています。従来の地方政府債務は有資兵、つまり地方政府有資プラットフォームを通じた不透明な借入れでしたが、ABSという形で市場に出てくることで実質的な債務が明らかになりつつある。
ファイナンシャルタイムズの報道では記録的な水準とありますが、これは地方政府の財政筆迫がかなり深刻なレベルに達していることを強く示唆しています。これは緊急の経済危機が進行している可能性を浮き彫りにする重要な兆候です。投資心理の面では中国の信用リスク全般に対する警戒感が高まる要因になります。そうなると先ほどの中央政府の財政支援も地方の財政を補うという側面があるわけですね。
まさにその構造です。中央が財政を拡大すると言いながら実際には地方政府の財政穴埋めに相当部分が使われる可能性が高い。つまり新規の成長投資ではなく既存の債務問題への対処という側面が強い。
マクロ構造で見ると中国経済は成長モデルの転換点にあります。不動産投資手導から消費手導への転換を目指していますが、その過渡期における調整コストが表面化している状態です。
本記事は、ブルームバーグ及びファイナンシャルタイムズ等の報道に基づく情報を分析・解説したものであり、投資助言を目的としたものではありません。記載されている内容は、執筆時点での情報に基づく見解であり、その完全性・正確性を保証するものではありません。
経済状況は急速に変化する可能性があり、実際の投資判断は、ご自身の責任において、複数の情報源を参照の上、専門家の助言を仰いでください。本記事の内容に基づくいかなる投資行動によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いません。
また、特定の企業・セクターへの言及は、一般的な経済分析の一環として行われたものであり、それらへの投資を推奨するものではありません。
最終更新: 2025年12月28日