ロシア・イラン・イスラエルをめぐる最新の動き
(2025年6月14日)

ロシアのプーチン大統領は、イスラエルによるイラン攻撃を受けて、イランのペゼシュキアン大統領およびイスラエルのネタニヤフ首相とそれぞれ電話会談を行いました。プーチン大統領は、イラン側との会談で「国連憲章と国際法に違反したイスラエルの行動を非難する」と明言し、多数の犠牲者に対してイランの指導者と国民に哀悼の意を表しました。また、イランの核開発問題については、平和的かつ外交的な手段による解決を一貫して支持する考えを示しました。さらに、今後もイランとイスラエル両国の指導者と緊密な連絡を取り続け、状況の悪化を防ぐため仲介役を務める用意があると表明しました。

一方、イランのペゼシュキアン大統領は、プーチン大統領に対し「テヘランはイスラエルの侵略に適切に対応する」と述べ、強い姿勢を示しています。イランの最高指導者ハメネイ師も「軍は準備万端で行動し、シオニスト政権(イスラエル)に悲惨な結果をもたらす」と強調し、イラン国民に対しても「この件に関しては一切の寛容はない」と断言しました。

イスラエルとイランの軍事衝突の経緯

6月13日、イスラエルはイラン国内の核関連施設や軍事施設など100カ所以上を大規模に攻撃し、イラン側の報道によれば少なくとも78人が死亡、300人以上が負傷しました。これに対しイランは強く反発し、報復として「数百発」の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射したと発表しています。イスラエル北部では防空システムがミサイル迎撃を試みる様子が確認され、テルアビブやハイファも標的となりました[。

イラン革命防衛隊(IRGC)は、今回の報復攻撃を「真の約束 III」と名付け、シリア大使館への攻撃やIRGC幹部の暗殺への報復であると強調しています。イスラエル軍(IDF)は、イランから発射された約150発のミサイルを2回の波状攻撃として検知し、9カ所の衝撃地点と複数の負傷者が出たと発表しました。イスラエルのカッツ国防相は「イランは赤い線を越えた(レッドライン)」と非難し、イランに対して「非常に高い代償を払わせる」と警告しました。

今後の見通しと国際社会の反応

今回の一連の衝突により、中東地域の緊張はかつてないほど高まっています。ロシアは引き続き両国の指導者と緊密に連絡を取り、外交的解決を模索する姿勢を強調しています。国連安全保障理事会も緊急会合を開催し、事態の沈静化に向けた国際的な議論が行われています。

イランとイスラエルの対立は、今後も地域と国際社会に大きな影響を及ぼす可能性があり、各国の動向が注視されています。