伊藤さんの真剣な雑談 年末スペシャル要約


本稿は『【真剣な雑談 年末SP】 伊藤貫×水島総「トランプ・アメリカの近未来の危うさ」[桜R7/12/30]』(https://youtu.be/0-lZJwqop4cの内容と各種補足報告から再構成した資料です。


要約の前提: この要約は、インタビュアーと国際政治アナリストの伊藤さんとの対話を、内容の90%程度に凝縮し、文章を明確に整理したものです。主な論点と分析を中心に構成されています。

1. トランプ政権の評価と指導者像

トランプ政権は当初2ヶ月間は、CIAやFBI内の反共和党的勢力の一掃、NEDやUSAIDへの介入、教育省の予算削減など、「準備してきたこと」を実行し評価できた。しかし4月以降、特に中国に対する関税政策で大敗してからは、一貫性を失い「毎週の思いつき」だけが目立つ状態になった。

元側近の証言では、トランプ氏の性格は「アルコール中毒者のパーソナリティ」に例えられ、深い勉強や他者意見の傾聴なく直感的に決断し、かつ自らの正しさを強く確信する傾向がある。そのため政策は不安定で、ベネズエラやイランへの対応も「本気の戦争意思のないお芝居」と分析された。

2. ウクライナ情勢と日本の対応

ウクライナ戦争は、戦力バランスから見てロシアの勝利が既定事項である。プーチン大統領もその点をトランプ氏に説明し、一時は早期終結に同意するも、トランプ氏は周囲の欧米首脳の意見に左右され、態度を変えてしまう。これが交渉を困難にしている。

日本政府(外務省)は、この現実を認めようとせず、アメリカ・欧州側の情報のみを信用し、巨額の追加支援を決定しようとしている。その背景には、米国務省やCIAなどのキャリア官僚との関係を重視し、自らのキャリアを有利に進めたいという官僚組織の論理があると指摘された。

3. 日本の核武装論と自主防衛

米シンクタンクCFRの論文「アメリカの同盟国は核を持つべきである」が示すように、日本とドイツが核抑止力を持つ独立した防衛国家となることが、むしろ米国の国益に適うという見方が米国内で強まっている。中国の実質的な軍事・経済力の増大を前に、日本を弱いまま置いておく従来の国務省方針は、もはや米国にとって不利益であるという論理だ。

高市氏の秘書官による「核保有すべき」発言は、このような国際的な議論の文脈を踏まえたものと考えられる。今、日本が問われているのは、将来の国際秩序が「米・中・ロ・印」の4極構造になるのに従うか、日独が真の自主防衛国家となって「6極構造」の一翼を担う道を選ぶかである。

4. パレスチナ問題と中東情勢

パレスチナ問題はさらに悪化する見通しだ。トランプ氏の「和平案」は失敗に終わり、イスラエル国内ではパレスチナ人排除を前提としたリゾート開発計画まで進んでいる。特に旧ソ連圏からの移民など、強硬派ユダヤ人が人口の7割を占める現状では、和平の可能性はほとんどなく、ジェノサイド的な状況が続くだろう。

この中東の恒久的混乱は、アジアでの行動を自由にする中国にとって大きな利益となっている。

5. 中国の台頭と変わりゆく世界秩序

中国の経済力は、名目GDPではなく「購買力平価(PPP)で測った実質GDP」で見れば、既に米国を10兆ドル以上も上回っている。製造業規模や基礎的な兵器生産能力でも優位に立つ。これは、軍事力競争において中国が今後優位に立つことを意味する。

ロシア・中国の国際政治学者は、16世紀以降続いた「西洋優位の500年」が終わり、新たな多極化時代が到来したと分析する。この新しい秩序では、説得力のある議論を持つロシアや、膨大な実質経済力を持つ中国が主導権を握りつつあり、白人の真似しかできない日本の外交官や学者の影響力は限りなくゼロに近い。

6. まとめ:日本が直面する岐路

世界は500年に一度の大転換期にある。1992年から2016年まで続いたアメリカ一極支配は終焉し、現在は過渡期的な「3極構造」にある。これが近い将来「4極構造」、さらには日独が独立した防衛大国となれば「6極構造」へと発展する可能性がある。

日本は今、この構造のどちらに向かうかを決める岐路に立たされている。従来のように米国に従属し続ければ、中国の勢力圏に吸収されるリスクが高まる。真の独立と自主防衛能力の獲得こそが、国益と生存を守る道であるという認識が、国内外で広がり始めている。