米国ビザ免除プログラム参加国からの訪問者に対するソーシャルメディア履歴提出の提案

現状の分析

2025年12月10日、米国税関・国境警備局(CBP)は、連邦官報(Federal Register)に通知を掲載し、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program: VWP)参加国からの訪問者に対するElectronic System for Travel Authorization(ESTA)申請の要件を拡大する提案を公表しました。このプログラムは、42カ国(日本を含む)の国民がビザなしで米国に90日以内の短期滞在を可能にするものです。

提案の主な内容は、ESTA申請時に過去5年間のソーシャルメディア履歴の提出を義務化することです。これまで、この項目は任意でした。追加で求められる情報には、過去5年間の電話番号、過去10年間のメールアドレス、家族の詳細(親族の名前、生年月日、出生地、居住地、電話番号)、写真のメタデータ、生体情報(顔認識、指紋、DNA、虹彩など)があります。また、申請者はモバイルアプリを使用してセルフィーを提出する必要があります。ESTAの申請手数料は40ドル(換算: 約6,240円、1USD=156JPY)で、承認は通常2年間有効です。

この提案は、2025年1月にドナルド・トランプ大統領が署名した大統領令14161に基づき、国家安全保障上の脅威を最大限にスクリーニングするための措置です。CBPによると、ソーシャルメディアの審査はテロリズム、人身売買、ビザ詐欺などの脅威を特定するためのものです。非VWP国からのビザ申請者には、2016年以降すでにソーシャルメディア情報が義務付けられており、バイデン政権下でも継続されていました。

影響を受ける訪問者は、英国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、韓国などの国民で、観光やビジネス目的の短期滞在者です。提案は60日間のパブリックコメント期間(2026年2月9日まで)があり、最終決定はこれを踏まえて行われます。2025年、米国の国際観光支出は184カ国中唯一減少すると予測されており、この提案が旅行をさらに抑制する可能性があります。Al JazeeraCNN

ソーシャルメディア上の反応では、プライバシー侵害や言論の自由への懸念が指摘されています。例えば、X(旧Twitter)では「外国政府がソーシャルメディアを審査するのは偽善的だ」という投稿が見られますが、具体的な影響は未確定です。The New York Times

強調:中立的な選択肢

この提案に対する対応として、以下のような選択肢が考えられます。これらは政策的・個人レベルの観点から提示するもので、特定の行動を推奨するものではありません。

政策的選択肢

個人レベルの選択肢

これらの選択肢は、状況に応じて組み合わせることが可能です。Electronic Frontier Foundation(EFF)などの団体は、市民的自由の観点から監視の拡大が言論を抑制する可能性を指摘しています。一方、支持側は国家安全保障の強化を強調します。Axios

結論

この提案は、米国入国審査の強化を目的としていますが、プライバシー保護と旅行の利便性のバランスが課題です。要点として、VWP参加国からの訪問者が追加の個人情報を提出する必要が生じる可能性があり、パブリックコメント期間中に意見が反映される見込みです。今後注視すべき点は、2026年2月の最終決定、審査の実施方法、国際的な反応です。これにより、グローバルな旅行動向やデータプライバシー基準に影響を与えるでしょう。

出典・参考文献