米国・イラン・ロシア・中国の各当事者の主張をバランスよく記載した客観的まとめ(2月25日現在)

1. 核交渉の現状と各国の立場

2025年後半から2026年初頭にかけて、トランプ政権はオマーン(ムスカット)とスイス・ジュネーブでイランとの間接核交渉を継続中です(第3ラウンドは2026年2月26日予定)。米国側は「ゼロ濃縮」を核心条件とし、期限付きの強硬姿勢を維持しています。

イランの主張:イラン政府は「平和的核利用の権利(NPT条約に基づく濃縮権)」を認めさせるよう求め、医療用途限定の「トークン濃縮」案を提示。ミサイル制限や地域支援の放棄は一切拒否しており、米国の一方的圧力は主権侵害だと非難しています。
ロシア・中国の主張:ロシアと中国は「軍事的威嚇を伴う一方的な交渉は無効」と批判。外交的解決を支持し、JCPOA(2015年核合意)復帰を主張しています。

2. 2025年6月の米軍攻撃(Operation Midnight Hammer)の影響

2025年6月22日、米国はフォルドゥー、ナタンズ、イスファハンの3核施設を攻撃。米国側は「完全に破壊した(obliterated)」と主張しています。

イランの主張:イランはこれを「主権に対する明白な侵略行為」と強く非難。IAEAの査察を一時停止し、攻撃は核不拡散体制の信頼を損なったと指摘しています。
ロシア・中国の主張:両国は国連安保理で「違法な軍事力行使」と非難決議を提案。攻撃により地域不安定化が加速したと警告しています。

IAEA推定では、イランの60%高濃縮ウラン備蓄は約400kg前後が残存し、**ブレークアウトタイム(核兵器製造可能時間)は数週間〜数ヶ月レベル**とされています。攻撃はプログラムを「数ヶ月遅らせたが、完全に破壊したわけではない」との評価が主流です。

3. 米軍展開と持続可能性の課題

2026年1月末以降、米国は中東に2隻の空母打撃群(Gerald R. Ford、Abraham Lincoln)を含む大規模戦力を展開。USS Gerald R. Fordでは下水・衛生システムの慢性故障が続き、乗組員の健康・士気問題が報告されています。

イランの主張:イランは「米軍の威嚇的集結は地域の平和を脅かす」と非難。ホルムズ海峡での自衛権行使を強調しています。
ロシア・中国の主張:両国は「米国の軍事プレゼンスがエスカレーションを招いている」と批判。三国合同海軍演習(Maritime Security Belt 2026)を強化し、共同で「海上安全保障」を主張しています。

4. Mike Huckabee大使発言と地域反応

米イスラエル大使マイク・ハッカビー氏は2026年2月上旬のインタビューで、聖書に基づく「Greater Israel」構想(ナイル川からユーフラテス川まで)を支持する発言を行い、アラブ諸国から強い反発を受けました。

イランの主張:イランはこれを「植民地主義的拡大主義の露骨な表明」と非難。アラブ諸国との結束を呼びかけています。
ロシア・中国の主張:両国は「こうした発言が地域の信頼を損ない、対立を助長する」と批判。非干渉原則に基づく外交解決を強調しています。

5. イラン・ロシア・中国の協力強化

イランはロシア・中国との軍事協力を大幅に深化。2026年2月にはホルムズ海峡・オマーン海での三国合同演習を実施・計画中です。中国との間で超音速対艦ミサイル(CM-302)の購入交渉も最終段階にあります。

イランの主張:イランは「自衛のための正当な協力」と位置づけ、米国の脅威に対する抑止力強化だと強調しています。
ロシア・中国の主張:両国は「地域の安定と多極化のための協力」と説明。米国の単独行動に対抗する「バランスの取れた安全保障枠組み」として位置づけています。
総括(客観的視点):米国は「核拡散防止と地域安定」を主張する一方、イラン・ロシア・中国は「米国の軍事的威嚇と主権侵害が根本原因」と反論しています。2026年2月26日のジュネーブ交渉が正念場であり、軍事衝突回避のための外交的妥協が急務とされていますが、各当事者の立場は依然として大きく隔たっています。