戦略核弾頭ミサイルと戦術核弾頭ミサイルの徹底分析レポート(Part 1)

目次

エグゼクティブ・サマリー

「戦略核弾頭ミサイル」と「戦術核弾頭ミサイル」は目的・威力・運用思想が大きく異なる。戦略核は「抑止」のための大量破壊兵器、戦術核は「実戦使用」も想定される小型核兵器である。
もし中国が「戦術核弾頭ミサイル」を多数配備し、実際に使える態勢をとれば、米国の「核の傘」は抑止力として大きく弱体化する可能性がある。特に日本の安全保障に深刻な影響が予想される。

背景と歴史的文脈

調査方法

用語定義・基本的な違い

項目 戦略核弾頭ミサイル 戦術核弾頭ミサイル
主な目的 敵国全土・大都市・軍事基幹施設への壊滅的打撃による「抑止」 戦場・局地的な軍事目標への攻撃、戦局転換、限定的抑止
威力(目安) 100kt~1Mt超(TNT換算) 数kt~50kt程度
射程 数千~1万km超(ICBM/SLBM等) 数十~数百km(短・中距離弾道/巡航ミサイル等)
配備例 米LGM-30ミニットマン、露RS-24ヤルス、中国DF-41等 露イスカンデルM、米B61戦術核、(将来的に中国のDF-17搭載型等)
国際的法的位置づけ NPT体制下での核抑止戦略の主軸 戦略・戦術の区別は曖昧。制限条約や透明性は乏しい

最新データと現状(2025年6月時点)

全核弾頭数推定戦術核主な配備/開発状況
中国 500~600 公式非公開 戦術核開発強化中、DF-17量産中
ロシア 約4300(配備済) 1900 戦術核は欧州・極東に多数配備
米国 約3700 100 B61戦術核を欧州・NATO同盟国へ

ケーススタディ・小話

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